製造工程での精密性・精巧性や、製品として出荷される前の性能の検証についての厳密性などを考えると、美容器よりも医療機器の方が性能の信頼性は高いと考えられます。
当院で保険適応となる施術に使用している機械はすべて医療機器です。
自由診療に含まれる美容施術に使用する機械も医療機器です。ただし、海外製の医療器については、日本で厚生労働省から医療承認番号が発行されていませんので日本では医療器として認可は受けていないものも一部あります。海外製の医療機器であっても日本で医療承認番号を受けていない機器については、美容器もしくは未承認医療器というカテゴリーになります。
最近では、HIFUハイフ機械について美容器HIFUハイフと医療器HIFUハイフについて、非常にいい加減な情報がネット上で交錯しております。
ネット上でまことしやかに間違った情報が広まっています。
Q1、『医療用HIFUハイフの方が出力が強く、効果が高い?』
Q2、『エステで使用する美容器のHIFUハイフは出力が弱く、効果が低い?』
よく このようなご質問をいただくことがあります。
実は、美顔や痩身に使用するHIFUハイフで、医療用を探しても見つからないのです。
独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)のサイトでは、年度別に承認された医療器の「医療承認番号」「承認日」「一般的名称」「販売名」「業者コード」「申請者」が表記されています。
日本で美容のHIFUが始まる前の年度から調べてみましたが、美顔・痩身に使用されるHIFUハイフで医療器として認められている機械は日本に一台もありませんでした。
美容用(美顔・痩身)の医療器HIFUは存在しません
医療用承認されているはの治療用HIFU
●平成21年に子宮筋腫の治療用として集束超音波機器が医療承認を受けていました。
●平成26年に骨転移腫瘍(がん)の治療についてHIFUが医療承認されたようですが、平成30年に他の治療法が主流となり、削除となっています。
●2016年(平成28年)に、原因のわからないふるえやパーキンソン病などの治療のためのHIFU(集束超音波)機器が医療器として承認されていました。
上記の治療に使用される集束超音波(HIFU)医療器は見つかったのですが、
美容に使われるHIFU(ハイフ)機は、アメリカのFDA※でリフトアップの効能を承認されているウルセラも日本では医療承認を受けていないようです。
※(FDAとは【アメリカ食品医薬品局】日本の厚生労働省にあたる公的機関)
厚生労働省が認可をしていなければ日本では医療器ではないということです。
当院で導入しているウルトラフォーマーⅢも、その他クリニックで使用されているハイフHIFU機器も、
原産国では医療機器とされているとしても、日本では医療機器として認可されていない未承認医療機器
(つまりただの美容器としてのカテゴリー)で、現行の法制度では使用に際して免許・資格の有無を問わないのす。
ただ、やはりそうはいっても、どの施術であってもリスクはありますので、解剖学(筋学・骨学・神経学)や生理学などの専門知識をもつ監督者がいる施設での受療が望ましいと考えられます。
医療用HIFUハイフについて
日本で美顔や痩身などの美容目的で使用されるHIFUハイフ機器について、
『そのHIFUハイフは医療器ですか?』と様々な施設へ質問しても、日本国内で医療承認番号を受けている機械は1台もないので、すべて『医療器ではない』という答えになるはずです。
※医療用のHIFUハイフで美容施術を受けたくても、美容用の医療機器ハイフは日本に存在しないのです。
Q1、『医療用HIFUハイフなのかどうか』『医療用HIFUハイフの方が効果は高いのか』
その部分については、美容用の医療器HIFUは日本に存在しないので、医療器なのか美容器なのか、こだわる必要はないと思います。すべて医療器ではありません。
当院に導入しているレーザー治療器
当院の超音波診断装置(医療用エコー)
EMSおよびパルス治療器
もし、こだわるとするならば、海外製で、原産国で医療器であるかどうかということになりますが、これは一般の方が確実な裏付けを取ることは難しいと思いますので
こだわっても仕方ないことです。
Q2,『エステで使用する美容器のHIFUハイフは出力が弱く、効果が低い?』
この件に関してですが、平成29年の3月ごろでしょうか、HIFUハイフによる顔の火傷が報告されていました。
エステで使う美容器のHIFUハイフが弱いのであれば、火傷さえ起こらないはずです。
でも、実際はエステで使用するHIFUハイフも、火傷をするくらいの出力が出るようです。
エステのHIFU(ハイフ)の出力が弱いとは思いません。実際に火傷が発生しているので、美容器のHIFU(ハイフ)でも、『解剖学的知識があって、正しい使い方をすれば』、ある程度の効果はあると思います。
適度な量を使えば薬になるものも、過剰になると毒になるのと同じで、適切に使う(適切な出力で受ける)ことが重要です。
お酒と同じです。程よく飲めば血行を促進し、気分も楽しくなりますが、飲みすぎると気持ち悪くなりますし、中毒を起こして死亡する場合もあるくらい、飲み方には注意が必要ですよね?
効果があるか、ないか、それは何が違うのか?
①照射する部分が適切でなかった
②照射する深度が適切でなかった
③shot数が少ない
④HIFUハイフは徐々に効果が出るので、本当は効いているのに効果に気づかなかった
このどれかだと思います。たぶんほとんどが【3】か【4】だと思います。
ウルセラなどの施術では100push、(1クリックで26ドットの連射として)2,600shotでの施術が1回の標準量だと思います。
2019年8月現在、当院の【おまかせ施術】の場合、1回で15000shot前後を照射しております。(標準量の約4~5倍)
例えば、強い出力にして1shotでひとつの点を作るとします。点の面積が効果範囲(脂肪や筋膜に作用する範囲)と考えます。
出力を弱くして、穴の大きさを半分にしたとします。でも、穴の数をひとつから4つに増やすと、ひとつの穴の大きさは半分でも【1/2×4倍量=効果範囲(面積)は2倍】になります。
当院の見解としては、【安全のため出力を弱くしてもshot数を多く照射すれば、安全で効果も高い】と考えております。
ですから当院としては、痛みを我慢するほどの出力は必要ないと考えています。
Q3『エステで使用する美容器のHIFUハイフは出力が弱く、効果が低い?』
A, エステのHIFU(ハイフ)が必ず弱いとは限りません。
出力を上げすぎると危険なので、適切な出力で受けることが重要です。
何度も言いますが、多くの方が勘違いされています。
『出力が強ければいい』のではなく、『安全で効果が出る出力』で施術することが大事なのです。
身体は冷やさない方がいい ⇒ 一般的に正しい。
では反対に、身体は温めたほうがいい ⇒ これも一般的に正しい。
でも、温めればいいからと言って
温かければ温かいほどいいので「100℃のお風呂入る」って、
絶対間違ってますよね?
これと同じことです。
馬鹿げた安直な考え方は大変危険です。
補足
Q,クリニックで受けるほうが、HIFUハイフは安全ですか?
A,もちろんエステで受けるよりは間違いなく安全です。
医師は人間の身体のことを徹底的に勉強されてきたのですから、
解剖学(骨学・筋学・神経学)や生理学、病理学などを履修していないただの女の子が施術しているエステより安全、それは当たり前です。
しかし、当院に『〇〇クリニックでHIFUハイフを受けて火傷をしたのですが、どうしたらいいですか?』と、ご相談に来られた方もおられます。
私も大変驚きました。
HIFUハイフを受ける方の中に、とても肌の弱い人もおられます。
普通であれば 何も問題が起きるはずがないのに、火傷になったり、皮下出血を起こしたりする可能性もゼロではありません。
私も毎日、非常に慎重に施術をしております。
こうすれば、かならずこうなるというように医療行為に絶対はないのです。
だから交通事故も医療事故もゼロにならないのです。
気を付けて減らすことはできてもゼロにはならないのです。
どこの施設でも、すべての施術、治療において『絶対大丈夫』は、ないのです。
『エステよりクリニックの方が安全』ということについては、
その通りだと思いますが、ご自身のお顔や、お身体に受ける施術ですので
どこで受療するにしても、効果ばかりでなくリスクも理解した上で十分ご検討くださいますようお願い致します。